プライマリケアの理念

家庭医として患者さんと関わっていく中で、病気とは何か・健康とは何か・死とは何か…など様々なことを見つめ直す日々です。
 
昨日は家庭医のプリンシプルについてとりあげました。
家庭医はプライマリケアを実践する医師という言い方もできます。ではそもそもプライマリケアとは何なのか。
プライマリケアの特徴を示す理念として次の5つのものが考えられています。
1. Accessibility(近接性)
2. Comprehensiveness(包括性)
3. Coodination(協調性)
4. Continuity(継続性)
5. Accountability(責任性)
 
1. Accessibility(近接性)
近接性とは「かかりやすさ」のことです。それは「地理的」「経済的」「時間的」「精神的」にかかりやすいということです。
 
2. Comprehensiveness(包括性)
包括性とは「すべての訴えや問題に対応する」ことです。どのような疾患であっても、あるいは病気の有無に関わらず対応するということです。
 
3. Coodination(協調性)
多職種での連携、様々な医療機関や介護リソースと協力して医療を作り上げようとするものです。患者さんとの協力関係も含まれるでしょう。
 
4. Continuity(継続性)
その人に長く関わるということです。医師と患者との継続、患者と医療機関との継続、医療機関をまたいでの継続(これは連携とも言えますが)など様々なつながりの中で常に患者さんの歴史が共有できているということと言えます。
 
5. Accountability(責任性)
質の高い医療を提供し続ける責任と言えます。そのためには医師自身の教育、そして後進の指導が必要です。また患者さんへの説明責任という点もあると思われます。
 
以上が、プライマリケアの5つの特徴を表していると言えます。