介護職にとって医師は敷居の高い存在である

家庭医として患者さんと関わっていく中で、病気とは何か・健康とは何か・死とは何か…など様々なことを見つめ直す日々です。
 
我々の診療所では何年か前から地域のケアマネージャーを対象に月1回の学習会を開催しています。
これは中々好評です。
始まった当初の目的は、学習会を通してケアマネージャーと顔の見える関係を作ることだったようですが、それから数年が経った現在ではその目的はほぼ達成されているように思います。
診療所側からの担当医はほぼ毎年かわりますが、その都度地域のケアマネージャーと良い関係を作ることができているのです。
おかげさまで本診療所はケアマネージャーからの信頼が篤く、困った事例などがあれば我々に相談するという流れができています。
もちろんこちらからもよく電話をして患者さんの状況を聞いたりしますし、両者の壁はかなり低いのではないかと思っていました。少なくともこちら側は。
 
しかし、依然として壁はあるんですね。
先日今年度最後の学習会があり、そこで今年度の振り返り(反省会のようなものです)をしたのですが、そこでは「ドクターへは聞くのはやっぱり抵抗がある。」「こんなことを聞いていいのかと遠慮してしまう。」という声が聞かれたんです。もちろん「話しやすくて助かっている。」という方もいるのですが。
 
自分としては、正直「えっ」と思ってしまいました。こんなにフランクな関係になっているでしょ、と。全く持って非常に勝手な思い込みをしていました。
そんなことないんですよね、医療者特に医師はかなり敷居の高い存在です。他の医療職からだってそう思われるのですから、ケアマネなど介護職の方たちからしたらそれ以上でしょう。
定期的な学習会で顔を合わせたり、電話等でそこそこやり取りをしているので、かなり話しやすい関係になっているのではと思ってしまいましたが、まだまだでした。
自分の立場、医師が周りからどう見られているか、どのような存在であるかを再確認した次第でした。