高齢者は病気が多いというが、それは本当に病気なのか?

高齢者は複数の疾患を抱えている人が多いので、ガイドラインはそのまま当てはまらない。患者の個別性に配慮しなければ、と言いました。
前回までは複数の問題があるせいで大変だ、みたいな言い方をしましたが、そもそもそれらの問題点は本当に問題なのか?それを疑ってかかることも必要だと思います。実は問題を減らせば解決するのかもしれない。
 
ただ、それこそガイドラインに沿って診療しようとすると色々な病気は増える傾向にあります。しかし、検査の数値がある基準を上回ったからといって病気と認定しないで、問題なし!と言うことも重要です。実際そういうことはよくあるんです。
患者さんによっては基準値から外れることを不安に思ったり、それを問題視されないことに不満を感じる人がいるかもしれません。
無理も無いでしょう。基準から外れたら、それがあたかも異常かのように思えてしまうものです。
でも実際には基準値から外れること=異常なこと、では決してありません。ましてそれだけで病気だということもありません。(もちろん病気のこともあります。)
 
何が病気で問題にすべきなのか、あるいはそうでないのかの判断は難しいところです。
これらを判断するのは医師の仕事でもあるし、場合によって患者さんとの対話の中で決まっていくことでしょう。