健康欲が不要な医療を生み出しているのではないか

家庭医として患者さんと関わっていく中で、病気とは何か・健康とは何か・死とは何か…など様々なことを見つめ直す日々です。
 
医療には市場原理はふさわしくないという話をしました。(20150223医療と市場原理)
 
しかし現実には市場原理で動いているところがあることも事実です。
医療にも色々で、市場原理を当てはめるべきではない医療の本質的なところと、市場原理が当てはまる周辺部分とがあります。
その境目はは必要と欲求ではないかと考えます。
「必要」な医療は、本質的な医療。
「欲求」が生み出している医療は、その周辺部分。
 
医療が発達してもその本質的な部分はそこまで変わりませんが、「欲求」はその周辺部分を肥大化させてきたように思います。
現代の日本医療の大部分を占めるのは「健康欲」が生み出した、ある意味では必要ではないものなのかもしれません。
それを全否定するつもりはありませんが、本質ではないと考える視点を持つ方がよいと思っています。