誤嚥性肺炎に立ち向かう

では、この誤嚥性肺炎にどのように立ち向かえば良いのでしょうか。
 
誤嚥性肺炎に立ち向かうとは、ある意味で加齢に立ち向かうということかもしれません。
もちろん嚥下機能が低下したとしても、誤嚥をおこさないように工夫することはできます。
ひとつは食事の仕方です。注意点を3つほどあげておきましょう。
 
①1回量を少なくすること。
1回に口の中に入れる食べ物の量を少なくすることです。嚥下機能が低下している状態でたくさんの食べ物を飲み込もうとするのは誤嚥の元です。
②食べる姿勢をしっかりとること。
姿勢とは体の姿勢もそうですし、意識状態や環境も含めてのことです。ぼーっとしていたらもちろん誤嚥しやすくなります。また横になった姿勢ではムセやすいです。しっかり体を起こして食べることです。
③食形態の工夫をすること。
嚥下機能が低下している人は嚥下の反射が鈍くなっています。喉頭蓋が肺への道を塞ぐタイミングが遅くなっているんです。ですから、一般に水のようにさらっとして流れていくものはムセやすいです。喉頭蓋によって肺にむかう道が閉じられるのが間に合わないんですね。それでむせてしまいます。とろみがついてゆっくり流れるようなものはむせにくいので、食事や水分にとろみをつけるという方法があります。
ただ、うまくやらないと見た目も味も美味しくなくなって、そもそも食事を食べなくなるという恐れもあります。
 
以上の3つは比較的簡単で、効果が期待できるものです。
これらの工夫によってたとえ嚥下機能が低下しても誤嚥を防ぎ、ひいては誤嚥性肺炎をある程度予防することができるでしょう。