抗インフルエンザ薬について

再びインフルエンザの話題。
 
インフルエンザの治療薬は何種類かでており、日本ではよく使われています。タミフルが代表的ですが、異常行動などで一時話題になりした。
 
ただ医療者の中ではタミフルをはじめとする抗インフルエンザ薬はむやみにつかわないようにというのが今の流れです。
一般の人にとっては薬を使わなくても自然軽快するのに、乱用によってタミフル耐性ウイルスが出現して治療薬がなくなってしまうというのが理由の一つです。
 
またタミフルの効果が限定的というのもそれほど処方しない理由です。
というのも様々な研究結果でわかっていることは、タミフルの効果は症状で苦しむ期間を1日程度短縮させる効果しかないからです。
ですので、処方する側はそれほどタミフルには劇的な効果はないですよと伝えます。
 
ただ自分自身の個人的な感覚ですが、タミフルが非常に良く効いたという患者さんも多いという印象もあります。飲んだ翌日には熱が下がった、という話もよくあります。
先ほどのタミフルの効果が症状を1日短縮させるというのは、ある研究結果からでたデータですが、それ以上に効果を感じている人がいることも事実なようです。もちろん、全く効果がなかったと感じている人もいました。プラセボ効果もあるでしょう。
 
このように研究結果と実感ではある程度違っているような印象があって、本当は劇的に効いている人もいるんじゃないかとも思うわけです。
 
これまでタミフル処方の際には「タミフルの効果は症状を1日程度短縮させるだけです」と説明してきて、その1日をどう考えるかは患者さんと相談して処方してきました。
 
ただ今回改めて劇的に効いたと感じる人のことを考えたときに、それをどのようにして実際の処方のときに研究結果とは違う面から取り扱えばいいのか、というのは悩むところです。
 
もちろん耐性ウイルスのことも考える必要はありますが。