無症状でも治療をする理由
症状がなくても病名がついて治療薬を飲んでいる人がいます。
高血圧、糖尿病、脂質異常症などがそうですね。
でもどうして薬を飲んでいるのでしょうか。別に痛いわけでも苦しいわけでも、かゆいわけでもないのに。
なぜ医師も治療をすすめるのか。
治療も薬だけでありません、生活習慣を変えるように求めるわけです。
このように生活習慣を変えるよう求められるわけです。そうすると好きなもの、美味しいものが食べられなくなる。
もちろん、たいていの人は色々な誘惑に勝てないことが多いし良い意味で適当に食事制限をしている人も多いと思います。だから高血圧や糖尿病で治療をしている人全員が美味しいものを食べていないとは思いませんが…。
けれどどこかで後ろめたさのようなものは感じていることはあるでしょう。
しかし、症状もないのに病名をつけられてこんな思いをしなければならないのはなぜなのか?
医師も人の生活習慣にこんなにも堂々と踏み込んでいけるのはなぜなのか?
よっぽどのメリットがなければこんなことはとてもじゃないけど正当化されるとは思えません。そう思いませんか?
でもこれにはちゃんとした理由があるのです。
キーワードは動脈硬化です。
心筋梗塞というのは心臓の筋肉が死んでしまい、心臓の動きが非常に悪くなっている状態で放っておけば命に関わります。
どちらも命に関わるし、後遺症も怖い病気です。これらの病気にならないためにはどうしたらよいのか。
先ほどの理屈からいうと、血管がつまらなければよいわけです。
血管を詰まりにくくするには、動脈硬化がおこらなければよい。
では動脈硬化を予防するにはどうしたらよいのか。
日本動脈硬化学会では12の項目を動脈硬化のリスク因子としてあげていますが(http://jas.umin.ac.jp/cgi-bin/question.cgi?csv=1)、それらのいくかを抜粋します。
高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、ウエスト(肥満)、などです。
これらの項目に当てはまることが多ければ多いほど動脈硬化になりやすいということになります。
そうです、これが無症状でも治療をしなければならない理由です。
つまり動脈硬化を予防するために高血圧や糖尿病を治療するというわけです。
…というのが一般的な説明です。
上記の説明は間違ったことは言っていないし、現に今そのようにして外来診療がされているでしょう。
しかし一方でそれで本当にいいのか、見直してみたいと思います。