なんとなく、という訴えのとき

患者さんの訴えも色々です。
 
時々、「なんとなくふわーっとする」「頭がはっきりしないような違和感」「後頭部が重い感じ」など中々説明しがたい症状で受診される方がいらっしゃいます。
 
たいてい何ヶ月も前から続いている症状であることが多く、日常生活にはほとんど影響はないけれど何となく気になっているとおっしゃいます。何かに集中していると気にならないが、ふとしたときに症状が出現して、また治まる、というのを繰り返すことが多いようです。
 
このような説明しがたい症状の時は、それにいわゆる典型的な病名がつくことはほとんどないように思います。例えば頭部MRIなどの画像検査を行っても異常所見が見つかることはまずありませんし、血液検査で異常がでることもありません(もともとやる意味がないことが多いですが)。
 
しかしそれでは患者さんも納得できないかもしれません。症状は確かにあるのに、何か病気ではないのか、と。
もちろん診察や検査の結果が異常がないことに安心してもらえる方も多いのですが、そうではない患者さんも中にはいます。
そして薬とか点滴とか、医療の介入によってそれがすっかり良くなることを期待する人もいます。
 
ところが実際にはそれは難しいことが多いのです。
そんな時は薬や点滴等に頼ろうとする前に、自分の日常生活を見直してみることをおすすめしたいです。
「ふわーっと」したり「頭がはっきりしない」のはひょっとしたら寝不足なのかもしれません。不規則な生活になっているのかもしれません。
 
世の中には色々な薬がありますが、その薬のおかげで病気がよくなった!と実感するケースはそれほど多くはありません。
患者さん自身の治そうとする行動が症状の改善には不可欠だろうと思っています。